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文/白鳥 敬
専門家の知識がもとになっている
生成AIで古代ギリシアやローマ時代の著作を調べることができるようになりました。名古屋大学の岩田 直也 准教授、桜美林大学の田中 一孝准教授、国立情報学研究所の小川 潤特任研究員らの研究チームは、LLMという生成AIの技術を使って、西洋古典の文献を調べたり古代の哲学者などと対話ができるシステム「ヒューマニテクスト」を開発しました。
もとになったデータは、専門家がまとめた西洋古典分野のデータベースで、全世界に公開されているオープンソースの情報です。専門家によって校訂された原典に基づくAIなので、質問して返ってくる答えには、どの文献から得られた情報なのか出典を知らせてくれます。一般的な生成AIのように、まちがった情報を教えてしまうという可能性を低減しています。
ここまで公開
研究が進むことが期待!
この新しいAIでは、RAG(Retrieval-Augmented Generation)という技術を使って、AIが古い文献や信頼できる情報を参考にして、文脈に基づいた質問や会話をすることができるようになりました。これにより、西洋古典の研究者たちが、様々な古代の書物や考え方を調べるのに役立つツールとして期待されています。
「ヒューマニテクスト」を活用すれば、これまで個別に研究されてきた西洋古代の哲学・文学・歴史の原典を横断して調べることができるので、この分野の研究が飛躍的に進むだろうと、研究者たちは期待しています。
このシステムは、専門家のレベルから一般ユーザーレベルの質問・返答まで幅広く対応できるので、古代ギリシアの哲学者ソクラテスに人生相談、なんてこともできるようになります。夏頃には一般に公開されるそうです。楽しみですね。X(旧Twitter)で情報発信がされていますから、興味を持った人はチェックしてください。

文
