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文/保谷彰彦
長くて鋭い、湾曲した歯
コモドオオトカゲはインドネシア原産で、現生のオオトカゲ類の中で最大の種です。成長すると体長は3メートルにも達し、時速20kmで走ることができます。コモドオオトカゲは長くて鋭い、湾曲した歯を持っています。この鋭い歯で、小型の爬虫類や鳥類からシカ、ウマ、スイギュウまで、さまざまな種類の獲物を捕まえて引き裂き、そして食べます。
このほど、キングス・カレッジ・ロンドン(イギリス)の研究グループは、コモドオオトカゲの歯のエナメル質に鉄成分が含まれることを発見しました。詳しい分析により、鉄が含まれるのは、歯の先端や縁のギザギザしたところに見られるオレンジ色の部分でした。この鉄成分で薄くコーティングされた保護層によって、歯が鋭利に保たれて、獲物を切り裂くことができるとわかりました。鉄成分による歯のコーティングは、肉食性の爬虫類では初めての発見です。

doi.org/10.1038/s41559-024-02477-7 より引用】
ここまで公開
獣脚類の歯を研究するのにも役立つ!!
今回、博物館に所蔵されていたコモドオオトカゲの頭蓋骨と歯、そしてロンドン動物園(イギリス)で飼育されているコモドオオトカゲの歯が研究に利用されました。
コモドオオトカゲの鋭い歯は、多くの肉食性の獣脚類にみられる剣状の歯と似ています。そのため、コモドオオトカゲの歯は、絶滅した獣脚類の歯と比較するための貴重な存在です。そのため、今回の成果は、恐竜の歯を考えるうえでも役立つと考えられます。
その一方で、コモドオオトカゲは絶滅が心配される生き物です。今回の新たな発見によって、貴重なコモドオオトカゲのさらなる保護に弾みがつくことが期待されます。

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